医療モールが増加する背景とは?

近年、医療モールが増加している傾向にあり、それには様々な理由がある。
1つは、急速な高齢化に伴う医療費の増大があげられるためである。
病床数が多いと不必要な入院が増える傾向にあり、医療費の増大に繋がってしまう恐れがある。
中規模以上の病院に患者が集中してしまわないよう、医療費を抑制するためにクリニックにかかりつけ医としての役割を担ってもらうようにしたり、在宅介護や介護施設の利用を促すようにする必要があるのだ。

2つ目の理由として、クリニックと言えど全ての医療に精通しているわけではなく、内科なら内科、眼科なら眼科というように専門の医療のみに精通しているので、複数の病気を患っている場合、患者は、専門ごとにクリニックを渡り歩かなければならないのである。

更に、医師の数である。
患者数に対して医師の数は年々増加傾向にある。
クリニックを開業しようとしても単独の医師のみで開業しようとするとクリニックの設立にかかる初期費用の工面並びにその後の経営については難しいものがあると言えるのではないだろうか。
また、医師のみで患者に対処しようとしても現代社会では困難と言えるだろう。
ケアマネージャーや管理栄養士など専門の職種と連携する必要があるからだ。

これらの課題をクリアするために適した方策が、医療モールなのである。
一ヶ所に集中することで集患が認められ、複数の医師や専門家が入ることで初期費用も抑えられるからである。